介護事業所名や「地域名+デイサービス」などで検索されたときに表示される Googleマップの情報(Googleビジネスプロフィール)は、家族やケアマネジャーが事業所を比べる経路の一つです。表示される名称・住所・営業時間が、情報公表システムや重要事項説明書と食い違っていると、比べる段階で不信感につながります。 この記事では、Googleのガイドラインにもとづいて、登録から運用までの手順と注意点を整理します。
1. 登録前に確認すること
重複プロフィールが無いか
Googleのガイドラインは、1つのビジネスにつきプロフィールは1つだけと定めています。過去に別の担当者が作成していた、またはGoogleが自動生成したプロフィールが既に存在する場合、新しく作ると重複になります。まず事業所名で検索し、既存のプロフィールが無いかを確認します。
複数の事業所(拠点)を運営する法人は、拠点ごとに1つずつプロフィールを作成します。1つの拠点に複数のサービス(例:同一建物内の通所介護と居宅介護支援)がある場合は、それぞれ別の名称・拠点として扱われるときに限り、プロフィールを分けます。
オーナー確認の方法
プロフィールを管理するには、そのビジネスのオーナーであることの確認(本人確認)を受ける必要があります。確認方法はGoogleが自動で決定し、事業所の状況によって次のいずれか、または組み合わせになります。
| 確認方法 | 内容 |
|---|---|
| 電話・SMS | ビジネスの電話番号に届く確認コードに応答する |
| メール | 登録したメールアドレスに届く確認リンクを開く |
| 郵送(ハガキ) | 通常14日以内に届くハガキの確認コードを入力する(コードは発行から30日で失効) |
| ライブビデオ通話 | 営業時間内に、現在地・設備・管理権限を示す |
審査には5営業日ほどかかるとされています。オーナー確認が済んでいないプロフィールは、情報の編集ができないため、集客の準備の初期段階で済ませておく必要があります。
2. 登録する情報を、他の経路とそろえる
ビジネス名
ガイドラインでは、看板や重要事項説明書で使っている正式名称をそのまま使うことが求められています。次のような要素は名称に含められません。
- 「地域最安」「口コミ人気」などのキャッチフレーズ
- 営業時間や電話番号
- 「〇〇ビル内」などの所在地の説明
- 正式名称に無い特殊文字
カテゴリ
「事業が何であるか」を基準に、最も具体的なカテゴリを、できるだけ少なく選びます。訪問介護であれば訪問介護に当たるカテゴリを選び、関連しそうな他のカテゴリを重ねて追加しません。
住所とサービス提供地域
店舗型(通所介護・入所系の施設など、利用者が訪れる形態)は、実際の所在地を正確に登録します。私書箱やバーチャルオフィスは使えません。
訪問介護など、利用者宅に出向く形態のサービスは、拠点を非公開にし、サービス提供地域を指定する登録方法があります。地域の範囲は、拠点から車で2時間以内に収めることが目安とされています。実際に対応している地域(通常の事業の実施地域)と一致させ、対応できない地域まで広げないようにします。
営業時間
顧客(利用者・家族・ケアマネジャー)からの問い合わせに対応できる、通常の時間を入力します。事業所の勤務時間そのものではなく、電話や見学の受付が可能な時間を基準にします。
説明文・写真
説明文には、対応できる状態像や特色など、重要事項説明書やホームページと矛盾しない範囲で具体的に書きます。写真は、実際の事業所の外観・内観・活動の様子を使います。実態と異なる写真(施工前のイメージ画像など)は使いません。
3. クチコミへの対応
Googleのクチコミに関するポリシーは、事業者による次の行為を明確に禁止しています。
- クチコミの投稿や、否定的なクチコミの修正・削除と引き換えに、金銭・割引・無料の物品などのインセンティブを提供すること
- 利用者やご家族に、その場での投稿を要求・強要すること
- 特定の内容(スタッフ名など)を含めるよう指定して依頼すること
一方で、インセンティブを与えず、評価や内容に影響を与えようとせずに、実際の利用経験に基づく投稿を募る・呼びかけることは許可されています。 「ご利用の感想をGoogleに書いていただけると、他のご家族の参考になります」といった一般的な案内はこの範囲に収まりますが、謝礼を条件にする、良い内容だけを選んで依頼するといった運用は避けます。
否定的なクチコミが投稿された場合も、内容を削除させる目的での金品の提供はできません。事実と異なる内容であれば、Google側に報告する手段がありますが、まずは投稿内容が事実かどうかを事業所内で確認します。
4. 更新の運用
- 情報公表システム・ホームページ・重要事項説明書・Googleビジネスプロフィールを同じ日に更新する:営業時間や連絡先を変えたら、経路ごとに更新日がずれないようにします
- 変更届が必要な変更かを確認する:事業所の名称・所在地・営業時間・運営規程を変えた場合は、10日以内の変更届が必要です。手続きは介護事業所の変更届で整理しています
- 管理者が退職・変更した際にアカウントの管理者権限を引き継ぐ:担当者個人のGoogleアカウントだけでプロフィールを管理していると、退職時に管理権限を失うことがあります。事業所として複数の管理者を登録しておきます
5. 落とし穴
- 重複プロフィールを作ってしまう:以前の担当者が作った、またはGoogleが自動生成したプロフィールに気づかず、新しく作成すると表示が分裂します
- サービス提供地域を実態より広く登録する:対応できない地域からの問い合わせが増え、断る対応が増えます
- クチコミを謝礼で募る:ガイドライン違反になり、プロフィールの停止につながる可能性があります
- 管理者個人のアカウントに紐付けたまま放置する:退職時に更新できなくなります
6. まとめ
- ビジネスプロフィールは1事業所に1つ。複数拠点は拠点ごとに作成する
- オーナー確認(電話・メール・郵送・ビデオ通話)を済ませてから情報を編集する
- ビジネス名・住所(または対応地域)・営業時間を、情報公表システムや重要事項説明書とそろえる
- クチコミへのインセンティブ提供・投稿の強要・内容の指定はガイドラインで禁止されている
- 更新は複数経路を同じ日にそろえ、名称・所在地・営業時間の変更は変更届の要否も確認する
家族やケアマネジャーが最初に事業所を目にする経路の一つとして、介護事業所の集客|ケアマネ・家族・病院に届く情報の整え方で扱った経路ごとの情報整備と合わせて、地図検索の表示も定期的に確認してください。
参考資料
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google でのビジネス情報の表示に関するガイドライン」:https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネスのオーナー確認を行う」:https://support.google.com/business/answer/7107242?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミに関するポリシー」:https://support.google.com/business/answer/2622994?hl=ja